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簡単にわかる!ビジネス・投資に役立つ国際政治経済
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北京五輪で世間は浮かれていたが
その間に着々と進行していったのが
ロシアの、南オセチア、アブハチア併合である。
29日金曜日に、ロシアとグルジアは
外交関係を切断した。
旧ソ連の衛星国がそれぞれ独立して以来
初めて、その衛星国との外交関係を断絶したことになる。
ロシアはグルジア領内からロシア軍を「引き上げた」といっているが
未だ、完全撤退にはいたっていない。
南オセチアについては
南オセチアの大統領とロシア大統領が会談し
南オセチアのロシア併合計画を発表した。
アブハチアについては、直接併合しないまでも
ベラルーシなどとの共同体を結成することになった。
これで、グルジアは国土の20%を失うことになる。
以上の出来事に対して、欧米はなにをしたか?
新冷戦の発生だ!と騒いだだけで
有効な手だては打てなかった。
フランスのサルコジ大統領は
ロシアの次の標的はクリミアだ!と叫んでいるが
止める手建てはない。
クリミアは、もともとはクリミア・タタール人が居住していたが
1944年、タタール族がドイツ軍に協力していたとして
スターリンにより中央アジアに強制移住させられ
その後にロシア人、ウクライナ人が入ってきた。
1955年、ウクライナ融和策の一環としてウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移管され。
ソ連崩壊後はウクライナ国の一部となった。
しかし、ロシア人が過半数を占める状況である。
ウクライナもグルジアと同様
EU、NATO加盟を希望しており
ロシアとしては容認できない路線をとっていることも同じ。
クリミア半島内のロシア人の「安全確保」を名目に
ロシア軍が侵入してくる可能性は排除できない。
クリミア半島は黒海に面する要衝の地であり
ここを押さえることは、ロシアにとっても大きな意義がある。
これらの動きをみていると
まるで冷戦の再現のようだが、
以前の冷戦とは決定的に違う点がある。
それは、ヨーロッパがロシアからの天然ガス、石油に依存しているということだ。
フランス、ドイツなど大陸のヨーロッパ諸国にとって、
天然ガス、石油の輸入第一位はロシアなのだ。
最近、ウクライナからのパイプラインを遮断されて
文字通りドイツなどが震え上がった。
生命線を押さえられている以上、
強硬な態度をとることはできない。
他方ロシアも、いわばヨーロッパの経済に組み込まれているといえる。
中国、インドなど、いくらでも、売り先は見つけられるといっても
それを実現するには、パイプラインの設置が必要で
短期間でできることではない。
プーチン大統領が絶大な人気を誇っているのも、
経済が絶好調で国民がその利益を享受しているからだ。
売ることができず、外貨が入ってこなくなったら
果たして、同様の人気を維持できるか疑問である。
ロシアも、しっかりヨーロッパ経済に組み込まれているのだ。
ただ、どちらが有利かといえば、
絶対的に必要とされるエネルギーだけに
やはり売り手が有利である。
短期間でも遮断されれば、ヨーロッパはねを上げるが
ロシアは外貨が短期間入ってこなくても
強圧的に不満をおさえこむことはできるし
遮断するぞと脅すだけで、相手の譲歩を引き出すことができる。
この立場にたっていないのがアメリカだ。
アメリカはヨーロッパのように資源をロシアに依存していないし
経済的に、ヨーロッパのようにロシアと組み合っていない。
だから、今回のグルジアの件についても
本来、強硬にロシアを批判し、
制裁措置をとるよう国連に働きかけるべきところだが
ブッシュ政権はレームダック化しており
次の大統領が就任するまで
アメリカの外交は、はっきり言って停止状態である。
とりあえず、ブッシュ政権は、
ロシアをG8からはずせ!WTOに入れるな!といっているが
ロシアを刺激することを恐れるヨーロッパから
早くも反対の声が出ている。
アメリカで単独ででも強硬措置をとるリーダーシップはない。
次のアメリカ大統領が誰になるかで
アメリカの対ロシア政策も違ってくるだろうが
少なくとも、ヨーロッパ大陸では
前の冷戦とは違う状況が出来上がっていて
ロシアはそれを見越して、侵攻を進めているのだ。
次の標的はクリミアだ。